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神の粒子〜ヒッグス粒子

17番目の素粒子、「ヒッグス粒子」が発見された!!!

高校時代、物理は大の苦手だった私は、陽子と中性子までくらいしか
記憶になく、素粒子についてはまったくわかっていなかったのですが、
つい最近、理論物理学者で、素粒子や宇宙の暗黒物質などの解明に
取り組んでいる村山斉氏の最新書「宇宙はなぜこんなにうまくできて
いるか」という本(中学生にもわかる本)を読んで、素粒子の世界を
少しだけ認識したところでした。

本を読んでいなければ、今夜7時のNHKのトップニュース「ヒッグス
粒子発見」について、食い入るように見ることもなかったと思うし、
物理学者たちの喜びがどれほどのものかが伝わって来て、うれしく
なりました。

物理学者あるいは天文学者は、新しい発見があると、それを元にまた
次の仮説を打ち立てて宇宙の謎に挑んできたわけですが、いまの現代
宇宙論なるもの(物理学者が担当)はとても難しく、ついていけない
と思っていました。

でも、村山氏の本はわかりやすく、歴代の物理学者たちというのは、
発見を成し遂げる前の仮説の立て方や予言に、大昔の哲学者のような
発想を思い起こさせる点がある(そもそも科学や天文学は哲学から発展
してきたからかもしれないですが)と感じ、面白いな〜と思いました。

物理学者は、私とはまったく違う頭の構造でしょうけれど、実験による
証明や計算による裏付けをとる前の彼らの発想力というか、空想力という
のか・・には、数字に強い学者という感じがしない部分もあって、物理
学者を見る目が少し変わりました。

今回、ジュネーブにあるものすごく大きなハドロン衝突型加速器(全周が
山手線と同じくらいの巨大な円形加速器)の中で陽子と陽子をビュンビュン
回して正面衝突させる実験(137億年前の宇宙誕生=ビッグバンの直後と
同じような状態にする実験)の結果、見つかった「ヒッグス粒子」は、
神の粒子といわれてきた最後の素粒子。
そのヒッグス粒子には「質量がない」そうですが、あれこれ空想している
と不思議な気持ちになります。
宇宙をつくり出したもの、その正体は・・やっぱり神様? ?!

ニュースでは、“これからは、このヒッグス粒子を理解する” という段階
になると言っていましたが、楽しみです。


明日から八ヶ岳。

シサスクも久しぶりに弾きますが、宇宙観が変わっていくようです。
音楽によって、目に見えないものを表現できるだろうか・・





私が気に入っている「137億年の宇宙の進化を表した図」
NASA/WMAP Science Team
(宇宙は膨張を加速しているが、その理由はまだ謎。)


ガリレオ・ガリレイの父

かの有名な天文学者ガリレオ・ガリレイの父は、ヴィンチェンツォ・
ガリレイ(1520-91)といい、リュート奏者、作曲家でした。

ガリレイはイタリア人ですが、同じくイタリアの作曲家レスピーギは、
ガリレオの父の曲(原曲はリュートのための曲)をピアノ曲に編曲して
いて、私はそれを何度か弾いたことがあります。それは「ガリアルダ
Gagliarda」という曲です。

その原曲の演奏をYOU TUBE で見つけました。ギターですが、なんと
イエペスのライヴ!
(ガリアルダ Gagliardaでは中間部に取り入れられています。)





レスピーギ編曲(ガリアルダ Gagliarda)の管楽器合奏版を見つけました。







ヴィンチェンツォ・ガリレイ作曲による、リュート作品を聴くことが
できました。








これを聴いていたら、忘れかけていた私の夢の一つが呼び起こされ
ました。
私は幼少の頃、母に、ヴァイオリンがやりたい、とせがんだことが
あり、でもその願いは叶いませんでした。その時の思いは、これだけ
ピアノに没入してもいまだに心の片隅にあります。そのせいか、15年
くらい前には、古楽器にやおら憧れたことがありました。
今からヴァリオリンなんて無理だけれど、古楽器(リュートやヴィオ
ラ・ダ・ガンバ)だったらできないだろうか・・と、再び弦楽器への
夢が膨らんだのです。


天文学は世界最古の学問。当初は宇宙について、音楽理論なしに
語られることはなかった・・。音楽家が天文学者になることも
あったり・・。
ガリレオ・ガリレイの父が音楽家だったことを知った時は、興奮
しました。

今日はリュートの音色でその作品を聴くことが出来、改めて、宇宙の
調和(ハーモニー)についてや音楽の誕生について、思いを巡らせて
います。






望遠鏡400年物語

エストニアのヤネダ。そこにはシサスクのアトリエ “音楽と星の塔” があり
「銀河巡礼」もそこで誕生しました。

そのアトリエに、最近、友人のフレッド・ワトソン氏が尋ねて来たようです。
彼は、オーストラリアの最も著名な天文学者のひとり!

シサスクからのメールによると、「ワトソン氏と彼の友人がヤネダに来たので
君のCDを一枚ずつ、2人に差し上げたよ。ワトソン氏については、彼の
ホームページを見てみて!」とのことでした。

早速、ワトソン氏のホームページを訪ねてみると、彼は “昼間は音楽家
(ギタリスト)、夜は天文学者!” で、シサスクのことをとてもよく理解して
くださる人なのではないかと思えました。

著書もあり、日本語訳にもなっていたので、購入してしまいました。

「望遠鏡400年物語」

stargazer.jpg

原題は “Stargazer”(=星を見つめる人)

ガリレオ・ガリレイが初めて自作の天体望遠鏡を夜空に向けてから400年
がたったことを記念し、3年前の2009年は「世界天文年」でしたが
この本は、その年に出版されたものです。

過去400年の望遠鏡の歴史を知ることは、ガリレオ・ガリレイのころからの
天文学史を知ることにもなるので、なんとか完読したいと思い、毎日、
眠る前に少しずつ読んでいます。これがなかなか面白く、日々、頭の中が
音符だらけの私には、違う分野で、ストレス軽減になってます。


ワトソン氏のホームページからメールを打ってみたところ、自動返信メール
で「ただいま北半球にてオーロラを観察中」と!
なるほど合点!ワトソンさんはオーロラを見に行く旅の途中で、シサスクに
会いに行かれたのですね。

シサスクは今日23日、いよいよインドのゴアへ出発です。きっとその話も
ワトソンさんと盛り上がったことでしょう。


シサスクは銀河巡礼 第2集「南半球の星空」をオーストラリアに行って、
書いています。おそらくその時に、ワトソンさんと知り合ったのではないか
と推測します。

ワトソンさんとも近い将来、話がしてみたい。。またひとつ夢が膨らんで
います。



惑星の音階 その2:シサスク編

シサスクの作品の中で、宇宙に関するタイトルがつけられているのは
主に器楽曲です。ピアノ曲以外では、

クラリネット協奏曲:食変光星(1991)
フルートとギターのための「ヘール・ボップ彗星」 (1999)
マンドリン・オーケストラのための「百武彗星」(1996)
ヴァイオリン協奏曲 第1番「ペルセウス座」 (1998)
フルート協奏曲「しし座~流星群の観察をもとに」 (2001)
ヴァイオリン、ピアノ、ヴィブラフォンのための「池谷・張彗星」 (2002)

などがあります。

シサスクの作品でもっとも曲数が多いのは、実は、合唱曲。
ヨーロッパの伝統的な宗教音楽、グレゴリオ聖歌、ルター派教会の賛美歌、
中世のポリフォニー音楽に影響され、多くの合唱曲を書いています。
その中で、最初の大作といえるのは

「グローリア・パトリ Gloria Patri」Op.17

「銀河巡礼~北半球の星空」初演の翌年、1988年に完成されました。
宗教的なタイトル(Gloria Patri=父なる主に栄光あれ)が付けられています
が、その音楽には彼ならではの、宇宙的な要素が含まれています。

Gloria Patri が完成した前年の1987年、シサスクは、惑星の動きの分析から
【ド# – レ – ファ# – ソ# – ラ】
という5つの音から成る音列=プラネット・スケール(惑星の音階)を発見
しました。Gloria Patri では、早速、そのプラネット・スケールが使われたの
です。

この音列はちょっと並べ替えて【ファ# – ソ# – ラ – ド# – レ 】とすると、
日本の五音音階と完全一致します。シサスクはもちろん、そのことを知って
いて、エストニアで彼に会った時は、私に日本民謡っぽい即興の歌を「君は
よく知っているよね!」と上機嫌で歌ってくれました(笑)
上記に挙げた彼の器楽曲の中に、日本人が発見した彗星の曲が2つもあるのも、
プラネット・スケールの発見が少なからず関係しているのではないでしょうか。


難しい話は置いておいて、実際に曲を聴いてみると、日本民謡で聴いたことが
あるような節回し。「アレル~ヤ~♪」が日本的なのは、我々日本人としては
やや戸惑いますが・・ここでは、日本の歌ではなく、惑星の歌。

聴いてみてください!
心が鎮まっていきます。





「グローリア・パトリ Gloria Patri」(全24曲)より 第1曲





「グローリア・パトリ Gloria Patri」より 第5曲





惑星の音階 その1:ケプラー編

ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)は近代天文学の父といわれるが、
同時代に生きた天文学者に、ヨハネス・ケプラーという人がいる。

Kepler.pngケプラー(1571-1630)




近代より前の時代は、【太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星】の7つが
惑星と呼ばれる天体だった。地球は惑星ではなく、宇宙の中心とされていた。

ケプラーは「太陽が惑星に力を及ぼし、それが惑星を動かしている」と考え、
ガリレオが発見した木星の衛星もこの法則に従っていることを確かめた。

太陽と月は除かれ、地球を加えた【水星、金星、地球、火星、木星、土星】の
6つが惑星とされた。(現在の太陽系は、これに天王星、海王星を加えた8惑星
だが、当時は、肉眼で観察出来る惑星だけだった。)

ケプラーは更に、「惑星は太陽を中心に、楕(だ)円軌道上を動く」ことを
発見した。(ガリレオは楕円軌道ではなく、円軌道だと主張していた。)
どうして楕円軌道と言えるのか・・それを説明するために、ケプラーはなんと、
音楽のハーモニーを持ち出してきた。

惑星が近日点(太陽にもっとも近い位置)と遠日点(太陽からもっとも遠い位置)
とにあるときの移動角度の比を計算して、その比率を音程の開きであらわした。
そうすると、惑星はそれぞれ固有の音域を持っていることがわかり、実際には
グリッサンドのようにスライドする音階が鳴り響くと想像できるというのである。
(ジョスリン・ゴドウィン著「星界の音楽」参照)



このことを知ったとき、6つの惑星の音階が同時に鳴り響いたら、どうなるだろう
などと考え、あれこれ調べていたら、面白いものが見つかりました。
同時に鳴り響かせるのを実践している人がいたのです!
(予想したより、ちょっと怖い響きです)

Saturnus: 土星
Jupiter: 木星
Marsfere: 火星
Terra: 地球
Venus: 金星
Mercurius: 水星

(ラテン語表記)







もうひとつ、イタリア語による解説ですが、見ていてわかりやすい映像を
見つけました。(L'Armonia delle Sfere =天球のハーモニー)

「天球の音楽」という考えを言い始めたのは、古代ギリシャのピタゴラスで、
それは、「それぞれの惑星(当時は、太陽と月を含む7天体+恒星)は、回転
しながら固有の音を発し、弦のフレットに比較しうるような間隔でならんで
いる」というものでした。






シサスク氏は以前、私が「南半球の星空」を演奏する際に、次のような
メッセージをくださったことがあります。


「あなた方がこのコンサートでお聴きになる音楽は、何百万年もの昔にその
起源を持つものです。私は、それをあなた方にも聴けるようにしただけです。
こうした音楽を聴き、また聴けるようにする、という能力も何百万年もの昔
からあったものです。私は、ただそれらを結びつけただけなのです。ユウコ
はもちろん何百万歳というわけではありませんが、彼女は我々とあなた方を
引き合わせてくれました。もっと空を見上げ、そして耳を澄ましてください。
そうすれば、星空全てを音楽に書き表したいという私の願いがわかって頂け
ることでしょう」


彼も、惑星が創り出すハーモニーを人間にも聴けるように・・と惑星の音階
(プラネット・スケール)を発見しました。1987年、「銀河巡礼~北半球の
星空」初演の年のことでした。
その音階は、偶然にも日本の五音音階と完全一致するものでした。
惑星の数もケプラーのころとは違っているし、めざましい宇宙科学の進歩も
あっての計算から生まれてきた音階であり、天球のハーモニーなのですね。




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