FC2ブログ

エストニアの風景

IMG_0974.jpeg


祖国の調べ〜エストニア・ピアノ音楽の夕べ II 無事終えることができました。
たくさんの温かいご支援に心より感謝いたします。
ありがとうございました。

写真は向かって私の左がエストニア共和国特命全権大使ヤーク・レンスメント閣下、
右が秋場敬浩さん、秋場さんの右の方が日本・エストニア友好協会会長、吉野忠彦氏
ほか、同協会会員の皆様です。





世界初演となりましたアロ・ポルドマエ氏の「エストニアの風景」の3曲が
YouTube にアップされました。

1. スール・タエヴァスコダの木霊
2. ヒュパッサーレの沼地にて
3. ナイチンゲールの谷


ポルドマエさんにもコンサートのご報告をしましたら、早速聴いてくださって
昨日、お返事をいただきました。


Dear Yuko!

Today was possibility to listen your Landscapes perfomance in You Tube.
This was wonderful!!
Great thank You and hot congratulations!
I am very happy, that my music sounded just so as I think!
Your pianoplay was very poetical, aerial, with magnificent dynamics and contrasts.
With Your influences I want to continue “Estonian landscapes” series.

With best greetings
Alo



「エストニアの風景」のシリーズ(彼によると全24曲になる予定)を書き続けたいと
おっしゃってくださったことが何より嬉しいことです。



私は、この風景に出会う旅をすることが夢です。



__________________

写真:曽根原様
You Tube アップ:秋場敬浩さん









祖国の調べ KODUMANIE VIIS 〜5〜

最後に弾くのは、アロ・ポルドマエ作曲、組曲「エストニアの風景」です。
ポルドマエさんのこの組曲は2009年に4曲書かれていて、私は2011年に
その4曲を日本初演しました。
2014年、エイヴェレ(エストニア)で、ポルドマエさんに初めてお目にかかり
ピアノフェスティヴァルでのガラコンサートにて、再び、今度は作曲者を前にし、
演奏しました。

ポルドマエさんは今年73歳。
とても温かいお人柄で、その後もメールでのコンタクトが続いています。
なぜなら、組曲「エストニアの風景」はまだ完結しておらず、今後、全24曲
に達するまで書かれるとのこと。それを楽しみにしていると伝えたら、
君のために書くとおっしゃってくださったのです。

エストニア建国100年を迎えるにあたり、コンサートで続きの曲をぜひとも
弾かせていただきたいと委嘱をお願いしましたら、3曲書いてくださいました。

今回のコンサートでは、2009年の4曲の中から第1、第4曲を弾き、そのあとに
新たな3曲を初演します。


「エストニアの風景」ということですから、各曲のタイトルには、エストニアの
知られざる美しい風景、その地名がつけられています。

どんな風景なのか、音で、音楽で、聴いていただきたいのですが、今は便利な
時代。風景写真も探してみました。曲名と写真を合わせてみたいと思います。



氷に閉ざされたケイラ・ジョアの滝

ケイラジョア



リストナの打ち寄せる波

リストナ



スール・タエヴァスコダの木霊

タエヴァスコダ



ヒュパッサーレの沼地にて

ヒュパッサーレ



ナイチンゲールの谷

ナイチンゲールの谷



この中で、ケイラ・ジョアの滝だけは行ったことがあります。
2014年夏でしたので、冬とは全く違う光景でした。

IMG_0798.jpg



ポルドマエさんの譜面は手書きです。

IMG_0955.jpg

IMG_0954.jpg



音は写真よりも、ポルドマエさんが感じたことを伝えてくれるはずです。
プログラムノートには、ポルドマエさんから届いたコメントも載せました
ので、どうぞお楽しみに!



さてこの辺で、ひとまず連載を終えたいと思います。
もう少し丁寧に書きたかったのですが、時間切れです。
コンサート後もエストニアのことをまだまだ取り上げてみたいと思って
いますので、今後もどうぞお付き合いくださいますようお願いします。


明日はエストニア大使もお見えになると連絡がありました。
当日券は18:30 より発売いたします。お席にはまだゆとりがありますので
ご来場いただけましたら嬉しく存じます。
どうぞよろしくお願いいたします。









祖国の調べ KODUMANIE VIIS 〜4〜

私が演奏する2曲めは、エステル・マギ作曲の「ヴァナ・カンネル」
Vana Kannel です。
マギさんは今年1月10日のお誕生日で96歳になられました。
エストニア作曲界のファーストレディと呼ばれる方です。
以前にもマギさんの曲を弾いたことがあります。
(こちら→ 「ラップランドのヨイク」Lapland Joiks (1987)

今回の曲は、私が最初に出会った彼女のピアノ曲でもあり、
マギの作品に惹かれるきっかけとなりました。
(過去のブログより→こちら


ヴァナとは Old の意味、カンネルとは エストニアの民族楽器の名前
です。
ヴァナ・タリン Vana というと、古いタリン、世界遺産になっている
旧市街のことでもあると同時に、リキュールの名前でもあり。
(甘くて美味しいリキュールです!)

民族楽器のカンネル。こちらは、私が欲しくてたまらない楽器の一つ
でもあります。2014年にエストニアに行ったとき、タルトゥの街で
探してもらったのですが、見つからず・・。
なんとも言えない温かい輝きを放つ音色で、大きなものは100本以上の弦が
張られていて、半音で調弦されているということなので、ピアノで弾ける
メロディーなら何でも演奏できるのではないかと思うのです。

カンネルの演奏はYOU TUBE で聞くことができます→例えばこちら

マギの「ヴァナ・カンネル」には、明らかにこのカンネルの音を模倣して
いると思われる響きが感じられる部分があります。


「ヴァナ・カンネル」にはもう一つの意味があります。
これは、エストニアの古い民謡集のタイトルでもあるのです。


Vana_kannel_1886.jpg


この歴史的な民謡集を編纂したのは、表紙にもあるようにヤコブ・フルト
(1839-1907)というエストニアの民俗学者、言語学者でしたが、
彼亡き後、20数年を経て、同じく民俗学者であるヘルベルト・タンペレ
(1909-75)がさらに民謡の収集を進め、この民謡集の編纂を復活させ
ました。
マギの「ヴァナ・カンネル」は、ヘルベルト・タンペレ氏の没後10年に
あたる1985年に書かれており、タイトルの上部に、エストニア語で
Herbert Tampereleと書かれています。(Tamperele =To Tampere)
当然ながら、マギの「ヴァナ・カンネル」には、エストニア民謡と思われる
旋律がここかしこに挿入されています。


「ヴァナ・カンネル」は、これまで「いにしえのカンネル」という訳で
演奏してきましたが、このように2つの意味があると考えられることから、
今回より、Vana を和訳せず、「ヴァナ・カンネル」としたいと思います。

マギの作品には、他にも弾きたいものがあり、楽譜を仕入れてあります。
今回の Vana Kannel が皆さんにとっても、マギの世界に惹かれる
きっかけとなりますことを願っています。






祖国の調べ KODUMANIE VIIS 〜3〜

今日は、私が最初に演奏する エウゲン・カップ作曲「タリンの絵」という
作品についてお話ししたいと思います。

エウゲン・カップ(1908-96)の父は、アルトゥール・カップ(1878-1952)。
作曲家であり、タリン高等音楽学校(のちのエストニア音楽演劇アカデミー)
の設立者でもありました。エウゲンはタリン音楽院の父の作曲クラスで学び、
のちに同音楽院の作曲学科長となります。

「タリンの絵」は10曲からなるピアノ組曲です。
今回はそれより6曲を演奏します。

カドリオルグの春

オオカミ谷の渓流
リレーレース
リンダの彫像
のっぽのヘルマン

歌の祭典  

春の訪れを喜び合う人々の憩いの場、カドリオルグ公園、その公園のはずれ
にあって「オオカミ谷」と名付けられた場所、1947年に遡る歴史を持つ
タリンの恒例行事であるリレーレース、森の中に佇む古代エストニアの
英雄カレフ王の妃リンダ彫像、国の象徴的な存在として国旗を掲げる「のっぽ
のヘルマン」、5年に一度開催され、3万人の合唱、世界中から20万人とも
いわれる聴衆による合唱祭「歌の祭典」・・

1997年に旧市街が世界遺産になったエストニアの首都タリンですが、
カップの作品では、1948年〜49年頃のタリンの風景や風物詩が
“音の絵” として生き生きと描かれています。


オリジナルはピアノ独奏ですが、オーケストラ版もあります。





「のっぽのヘルマン」の愛称で呼ばれるトーンペア城にある3つの塔の一つ

IMG_0861.jpg


教会のてっぺんから撮影したタリン旧市街全景

IMG_0966.jpeg


上の写真は私がタリンを訪れた時に撮影したものです。

エウゲン・カップ「タリンの絵」の楽譜には、Horst Schubert さん
が撮影されたタリンのカラー写真がたくさん載っています。


IMG_0924.jpg






祖国の調べ KODUMANIE VIIS 〜2〜

今回のプログラムは下記の通りです。
全て、エストニアの作曲家によるピアノ独奏曲です。

紫の字は秋場さんが演奏します。赤い※は、今回のコンサートのために
委嘱した作品ですので、世界初演となります。

エストニア建国100年ということで、100年前に作曲されたエッレルの
「祖国の調べ」に始まり、前半は祖国への想いを感じさせる美しい作品
の数々を選びました。

後半は昨年から今年にかけて書かれた新作を。
ポルドマエ作曲の作品は、今年3月末に完成したばかり。

ポルドマエ氏はエッレルの弟子でもあり、1918年から現在に至るエスト
ニア音楽 100年の軌跡に、思いを馳せることができるかと思います。

=====

【プログラム】

ヘイノ・エッレル:祖国の調べ(1918)

エドゥアルド・トゥビン:
エストニア民謡に基づく変奏曲 ETW 41(1945)


エウゲン・カップ
:組曲《タリンの絵》(1949)から



         カドリオルグの春

         オオカミ谷の渓流
         
リレーレース
         
リンダの彫像
         のっぽのヘルマン

         歌の祭典   

エステル・マギ
:ヴァナ・カンネル(1985)


     〜休憩〜


トゥヌ・クルヴィッツ
:5つの忘れられた空の構図(2017)



アロ・ポルドマエ:
組曲《エストニアの風景》(2009)から

            氷に閉ざされたケイラ・ジョアの滝
            リストナの打ち寄せる波 

アロ・ポルドマエ:組曲《エストニアの風景》(2018)から
            スール・タエバスコダの木霊
            ヒュパッサーレの沼地にて
            ナイチンゲールの谷





今回のコンサートのタイトルとしても使われている「祖国の調べ」
については、以前にも書きました。→こちら こちら

私が弾く、と当時 書いていましたが、今回は秋場さんが演奏する
ことになりました。

そのほかの曲については、また連載していきます。



祖国の調べ KODUMANIE VIIS 〜1〜

180713ちらし表


エストニア共和国は、今年、建国100年を迎えました。

私がエストニア音楽に取り組むようになったきっかけは、エストニアの作曲家、
ウルマス・シサスクとの出会いであり、それは18年前に偶然見つけた一枚の
CD「銀河巡礼〜北半球の星空」(ピアノ:ラウリ・ヴァインマー)に始まります。

当時、自分がエストニアの音楽とこんなに長く関わることになるとは思っても
みませんでした。
エストニア音楽を広く知っていただくために、ともに活動しているピアニストの
秋場敬浩君と立ち上げたエストニアン・ミュージック・プロジェクト(EMP)の
結成からは今年で14年になります。

エストニアの音楽を開拓していく中で、エストニアの歴史についても学びました。
エストニアは100年前の1918年に一度は独立したものの、第2次世界大戦で
再びソ連の支配下に置かれてしまいます。本当の独立は1991年の「歌う革命」に
よってであること、つまり音楽の力によって、無血の独立を果たしたことを
知った時、エストニアへの興味がより深まりました。
九州ほどの大きさしかない小さなエストニアですが、今では世界の最先端を行く
I T 国家です。あまり知られていないことですが、エストニアはスカイプの発祥地
でもあります。政治家の平均年齢は40代。数年前に来日した首相が36歳であった
ことは記憶に新しく、日本が学ぶべき点は多いのではないでしょうか。

エストニアの国旗は青、黒、白の三色旗です。
青は、エストニアの空・川・湖・海、国民の象徴、希望・友情・団結
黒は、故郷の大地、暗黒時代の悲しい歴史を忘れまいとする決意
白は、氷と雪、人々の幸福の追求
を表しています。

エストニアン・ミュージック・プロジェクトは、この建国100年を記念し
来たる7月13日(金)に、ルーテル市ヶ谷センターにて
「祖国の調べ KODUMAINE VIIIS〜 エストニア・ピアノ音楽の夕べ II 」
を開催します。

エストニアンブルーをイメージし、首都タリンの美しい写真を選び、
ちらしを作りました。

お申し込みはまだまだ受け付けております。
ちらしに掲載のメールアドレス、または私に直接、ご連絡頂けましたら
お席を確保いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

演奏曲目などについては、明日以降、こちらに連載していきたいと
思っていますのでお楽しみに!


180713ちらし裏


カレンダー
07 | 2020/08 | 09
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
リンク
プロフィール

吉岡裕子

Author:吉岡裕子

カテゴリ
最新記事
最新コメント
ポプリの本棚
月別アーカイブ
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
みどころ