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桜満開の日

昨日3月23日朝のトップニュースは「桜開花」宣言ではなく、
「桜満開!」。
週末だし、本当ならワクワクして、どこかに繰り出すところですが、
見て見ぬ振りをするように過ごした一日でした。

「左手の音楽祭 “坂の上のコンサート”〜舘野泉と仲間たち」
の本番がとうとうやってきました。

私はピアニスト舘野泉さんの大ファンの一人です。

舘野さんのコンサートには昔からよく足を運び、岸田今日子さん
(朗読)とのコラボレーションや、舘野さんデビュー40周年記念
リサイタルシリーズで、シサスクの「銀河巡礼〜北半球の星空」を
日本初演されたことなど、今でも鮮明に覚えています。知られざる
ピアノ曲が収められた舘野さんのCDの数々は、どれほど私に刺激を
与え続けてきているでしょう。

新しい作品を発掘することはとても楽しいことですが、それを演奏し
たり、記録に残したりという作業は、大変なエネルギーと根気を要し
ます。
シサスクとの出会いをきっかけに、秋場敬浩君とはかれこれ10年の
つきあいとなり、エストニア音楽に取り組む活動をずっと続けていま
すが、正直、これまでに何度もへこたれそうになりました。

そんな中、舘野泉さんは、私にとって勇気を与え続けてくださる人
でした。
知られざる作品というのは、全ての人に受け入れられるわけではない
ことをわかっていても、信念を持ち続け、演奏し続け、何かを繰り返し
伝え続ける・・たとえ左手だけのピアニストになろうとも不屈の精神で。
舘野さんは、こうしたことを身を以て教えてくださる人です。

昨日はリハーサル、本番、楽屋でのひととき、打ち上げまで、舘野さん
と長い時間を過ごさせていただいて、舘野泉さんの、ピアニストとして、
また人間としての偉大さに心底感動しました。

素顔の舘野さんからは、音楽のこと、コンサートのこと、作曲家との
やりとり、苦労話などなど、いくらでも興味深いお話が出てきて、その
お人柄の素晴らしさにも感銘を受けました。



昨日は会場が満席となり、最初の曲(ババジャニャン)を弾く前は
さすがに緊張しましたが、舘野さんがアルメニア人の名前には「○○ヤン」
と「ヤン」が付くというお話をなさって、「私は “タテノヤン”」と
おっしゃって笑いを取ってくださったので、会場の温かい雰囲気に溶け
込んでいくことができました。

シサスクの4手連弾のための組曲「スパイラル・シンフォニー」全曲も
日本初演を果たすことができました。終曲では、最後に舘野さんに内部
奏法を担当していただくようにお願いし、サプライズとしました。




___________________________________


このような日を迎えられたのは、これまでご支援いただき、活動を見守
ってくださった皆さまのお陰と、感謝の気持ちで一杯です。本当にあり
がとうございます。


前半で共演されていた広瀬悠子さん(舘野泉さんの妹さん)が楽屋で
おっしゃっていました。
「満開の桜も良いけれど、桜は散りゆくところや、散った花びらが絨毯
のようになっている景色なども美しいから、最後まで見ないとね。」


2013年3月23日、桜満開の日のできごとを生涯忘れることはないと思い
ます。


桜とともに、みなさまに素晴らしい春が訪れますように・・




舘野泉 左手の音楽祭〜坂の上のコンサート Vol.2




坂の上のコンサート〜舘野 泉と仲間たち Vol. 2

2013年3月23日(土)18:30開演
ムジカーザ(代々木上原)
主催:アーツ・アイランド 
concert@artsisland.com
03-6914-0353


【出演】 
 舘野泉(pf)
 ヤンネ舘野(Vn)
 広瀬悠子(pf)
 秋場敬浩(pf)
 吉岡裕子(pf)


【プログラム】

 セヴラック(末吉保雄編): 『休暇の日々』より (3手連弾)
                (舘野泉/広瀬悠子)

 啼鵬:Traditions of North Europe「北欧の言い伝え」
                (舘野泉/ヤンネ舘野)

 モンサルヴァーチェ:左手のための3つの作品
                (舘野泉)

        =休憩=


 ババジャニャン:サヤト・ノヴァの旋律によるエレジー
         〜アラム・ハチャトゥリャンの想い出〜
                (吉岡裕子)

 ミルゾヤン:詩曲(1971)日本初演
                (秋場敬浩)


 シサスク:組曲『スパイラル・シンフォニー』Op.68 日本初演
         (渦巻銀河交響曲)
                (連弾:秋場敬浩/吉岡裕子)





※ 曲目は一部変更されました。
※ チケットはおかげさまで完売致しました。ありがとうございました。





舘野泉 坂の上のコンサート/EMP演奏曲目

3月23日に開催のコンサートにてEMPが演奏する曲目の詳細です。



秋場敬浩&吉岡裕子(連弾)
Takahiro Akiba & Yuko Yoshioka, 4 Hands


ウルマス・シサスク Urmas Sisask (1960-)

4手のためのピアノ曲集『スパイラル・シンフォニー(渦巻銀河交響曲)』 Op.68
Cycle of piano pieces “Spiral Symphony”, Op. 68 for 4 Hands (1998)
                            日本初演


 1. ケフェウス座NGC2276銀河「織り成されたスパイラル」
   NGC 2276, 'Interwoven Spirals'

 2. りょうけん座M51銀河「凝固した二重スパイラル」
   M51, 'Coagulating Double Spirals'

 3. かみのけ座M64銀河「眠れる美女―たえまぬスパイラル」
   M64, 'Sleeping Beauty', 'Restless Spirals'

 4. ろ座NGC1365銀河「棒状スパイラルの平和」
   NGC1365, 'Peace Of The Rod-Shaped Spirals'

 5. しし座M66銀河「スパイラルのカオス」
   M66, 'The Chaos Of The Spirals'
 
 6. おおぐま座M81銀河「巨大スパイラル」
   M81, 'Gigantic Spirals'

 7. おおぐま座M101銀河「破線状スパイラル」
   M101, 'Spirals With Holes'     

 8. 遥かなるおとめ座銀河団「スパイラルのパレード」
   'The Distant Group Of Galaxies In The Constellation Of Virgo'
    - 'The Parade Of The Spirals'

 9. スパイラルのフィナーレ
   'The Spiral-Shaped Finale'
_____________________________

吉岡裕子/独奏
Yuko Yoshioka, Solo

アルノ・ババジャニャン Arno Babadjanyan (1921-1983)

 サヤト・ノヴァの旋律によるエレジー(ハチャトゥリアンの想い出に)
  Elegy on the melody by Sayat-Nova
   (In commemoration of Aram Khachaturian) (1978)

_____________________________

秋場敬浩/独奏
Takahiro Akiba, Solo

エドヴァルド・ミルゾヤン Edvard Mirzoyan (1921-2012)
     
 詩曲
  Poem (1971)  日本初演




エストニア建国95周年

今日はエストニア大使館より「エストニア共和国独立記念日レセプション」
に御招待いただき、出席させていただきました。



左:秋場敬浩君(エストニアン・ミュージック・プロジェクトを共に展開中)
真ん中:わたし


今年はエストニア共和国が独立を果たして95年という、記念すべき年。
あと5年で100周年・・と気づいた時、その5年後は自分にとって、人生の
節目の歳となっていることに気がつきました。エストニア音楽との出会い
から深まる関わりを思い起こすと、とても不思議なことであり、一方で
自分がそんなに年をとってしまうとは恐るべしことでもあり・・。

これからの5年については、昨年からいろいろと考えてはいました。

人生、何があるか分からない・・大震災もそうですが、私はこの10年の間に
かけがいのない人を何人も亡くしてしまい、限りある命について考えないこと
はなかったので、人間の能力的にも、体力的にも50歳までに悔いのないよう
やれることをやっておかなければと強く思うようになりました。


私は8年前の2005年、念願だったポーランドでの勉強の機会を得たときに、
初めてエストニアを訪れました。

その旅はまた、最初で最後の両親との海外旅行でもありました。

父は商社マンだったのでヨーロッパ各地を訪れていましたが、エストニアには
行ったことがないと言っていました。
娘の不慣れな海外一人旅を心配してくれたのだとは思いますが、エストニアには
一緒に行きたいと・・。エストニアの後は両親はドイツなどを巡りました。

私は両親とフランクフルト(一泊)経由でエストニアの首都タリンに降り立ち、
ヤネダという村のマナーハウス(作曲家ウルマス・シサスクのアトリエ)を訪
ねました。(その時の日記は→こちらを)
シサスク氏に会った日・・その日はなんと父の68歳の誕生日(8月17日)で、
父が「長生きするものだ」と喜んでくれたことが忘れられません。




      (タリン旧市街/父:画)



父は3年後の2008年12月、71歳で急逝しました。

父はエストニアに行くのに、本当はヘルシンキからフェリーでタリン(エス
トニア首都)に渡ることを望んでいました。私の仕事の都合でフィンエアーを
使えなかったことでそれを実現できませんでした。


この夏、私はエストニアに一人旅を実現します。
フェリーに乗ってタリンに渡り、これからの5年の第一歩として、8月2日、
エストニアのエイヴェレにて、シサスク氏と再会し、コラボレーション。
エストニア駐日大使もその演奏をお聴きくださると、今日お話し下さいました。

そのような重要なコンサートの機会を得て、今夜は真剣に演奏曲目を考えてい
ます。

今、自分のCD(銀河巡礼)を1年ぶり?で聴いてみてます。
1年以上を経て聴くことはどんなにか不満の連続かと恐れて、しばらく聴くのを
避けていました・・が、作品への思いは、今日、当時と変わっていないことを
確認できました。
そして、この夏の貴重な機会には、人様がなんとおっしゃろうとも、銀河巡礼を
弾きたいという思いに至りました。
「銀河巡礼〜北半球の星空」から後半と、「南半球の星空」後半を弾きます。

「南半球」はこれを機に、国内にて遠からず全曲を演奏できるようにと思って
います。




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