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のっぽのヘルマン

E・カップ:《タリンの絵》より
Pictures from Tallinn for piano solo (1949)
 カドリオルグの春
 リレー競走
 のっぽのヘルマン
 オオカミ谷の渓流
 歌の祭典


前回は〈オオカミ谷の渓流〉について書きました。

今日は〈のっぽのヘルマン〉についてです。

エストニアの首都タリン Tallinn の旧市街(世界遺産に登録されています)
は、かつて支配者たちが居を構えた山の手(トーンペア)と、商人や職人
たちが築き上げた下町とに分かれています。山の手にあるトーンペア城に
は、15世紀当時の姿を留める3つの塔があり、南側の50.2mの塔は “のっ
ぽのヘルマン” の愛称で親しまれています。



写真中央の塔が “のっぽのヘルマン”
ピンク色の建物は「トーンペア城 Toompea」で、現在は国会議事堂と
なっています。
(撮影:2005年/by Yuko Yoshioka)






塔の上にはそれぞれの時代の支配者の旗が掲げられましたが、現在はエスト
ニア国旗が掲げられています。毎日、日の出とともにエストニアの国旗が
国歌の調べに合わせて、この写真のように塔の上に掲揚されるとか。
エストニアの三色旗は、青はエストニアの空・湖・海、希望・友情・団結を、
黒は大地、悲しい歴史を、白は雪、人々の幸福を表します。


EESTI.jpg


E.カップ作曲のこの作品は、「黒」の大地と過酷な歴史を表現するような
重々しい曲想に始まり、途中、雪の風景を思わせるようなスタッカートで
刻むフレーズがあり、最後は希望に満ち、エストニアの青く高い空に、の
っぽのヘルマンが突き抜けるような、威厳ある締めくくりとなっています。





オオカミ谷の渓流

エストニアの作曲家 Eugen Kapp のピアノ曲集《タリンの絵》
(1949)について、ご紹介します。

ERES2871.jpg

この美しい楽譜に収められている全10曲中、私が5/9に演奏する
のは5曲ですが、今日から順不同で1、2曲ずつ、取り上げてみよう
と思います。
順不同で・・というのも、曲について調べていて、なんて面白い!
と思ったことが今日あったものですから、この曲から書くことに
しました。

《タリンの絵》は、エストニアの首都タリンの風景を音で描いた
ような作品で、具体的な場所や建物の呼び名がタイトルになってい
る曲もあります。
その中で、“オオカミ谷の渓流” と題する曲は一番気になって
いました。

「オオカミ谷」はどこにあるのか?
なぜ、オオカミ谷とよばれるのか?

場所はすぐにわかったものの、名前の由来はなかなかわからず、
あきらめかけていたところ、もう一押し、エストニア語のウェブ
サイトを追究してみたら、答えが!

オオカミ谷(エストニア語:Hundikurislik)と名付けられたきっ
かけは、19世紀終わりごろ、タリンでウェーバーのオペラ「魔弾の
射手」が人気だったことにありました。オペラに「オオカミ谷」が
出てくるのです。
ウェーバーは、ドイツのハイデルベルクの東約40キロに位置する
ツヴィンゲンベルク Zwingenberg 近くにある通称 “オオカミ谷”
Wolfsschluch で、インスピレーションを得たのだそうです。




上の写真は、タリン郊外のカドリオルグ公園の東のはずれにある
“オオカミ谷” 。下の写真はドイツの “オオカミ谷” です。
《魔弾の射手》が人気だったから命名したというのは面白いですが、
岩肌の感じなど、どことなく似ていますね。




こんな話がわかるまでは、昔はオオカミが出たのかしら・・?
と想像するくらいで(曲中、オオカミが吠えるような音使いもある
し・・)、まさか《魔弾の射手》が出てくるとは思わなかったので
今夜は楽しく、プログラムノート原稿書きの疲れも吹っ飛びました
(笑)




響きの風景〜エストニア室内音楽の夕べ

ブログ更新が滞り、すみません。。
日々のことで体力的に精一杯でした。

ゴールデンウィーク返上で、準備、練習にがんばります。
お申し込みお待ちしております。


ESTONIAN MUSIC PROJECT Vol.5
響きの風景〜エストニア室内音楽の夕べ
エストニアン・ミュージック・プロジェクト結成10周年記念

2014年5月9日(金)19時開演
五反田文化センター 音楽ホール

【出演】
 秋場敬浩(ピアノ)
 吉岡裕子(ピアノ)
 井上雅人(バリトン)
 斎藤澪緒(ヴァイオリン)




【プログラム】

E・カップ:《タリンの絵》より
Pictures from Tallinn for piano solo (1949)
 カドリオルグの春
 リレー競走
 のっぽのヘルマン
 オオカミ谷の渓流
 歌の祭典


H・エッレル:《鐘》
The Bells for piano solo (1929)


E・トゥビン:歌曲
3 Songs for baritone and piano
Su õrna kätt あなたの優しい手 ETW68 (1926)
Lumehelbeke 雪片 ETW82 (1949)
Kesk laotusi 天空にて ETW73 (1927/65)


E・オヤ:ヴァイオリンとピアノのための組曲《アエリータ》
"Aelita" suite for violin and piano (1932)

 ☆☆☆

A・ぺルト:《鏡の中の鏡》
Spiegel im Spiegel for violin and piano (1978)


T・クルヴィッツ:《シェークスピアによる3つのソネット》
3 Shakespeare' sonnets for baritone and piano (1998)


A・ポルドマエ:《4つのエストニアの風景》
4 Estonian Landscapes for piano solo (2009)
 1. 氷に閉ざされたケイラ=ジョアの滝
 2. ヴォーレマー地方
 3. ヴァルスカの砂丘
 4. リストナの打ち寄せる波


U・シサスク:《銀河巡礼~南半球の星空》Op.52 より
3 pieces from "Southern Starry Skies" for piano solo (1995)
 さいだん座 ー 増殖
 かじき座 ー 霧の中の悦び
 とけい座 ー 伸展
 レチクル座 ー 永遠


_______________________________

私は2つのソロ曲「タリンの絵」、「エストニアの風景」の演奏と
トゥビンの歌曲(バリトン)とペルトの「鏡の中の鏡」
(ヴァイオリン)の伴奏をします。(紫の文字)





白水裕憲フルートリサイタル




4月6日、白水さんのフルートリサイタルを無事終えることができました。
温かいご支援を本当にありがとうございました。
昨年のプログラムと全然違ってとても良かった、とのお言葉をたくさん
いただきました。
私の拙いトークにも温かい雰囲気で受けとめてくださり、心より感謝致し
ます。

白水さんのリサイタルは、来年も4月の第一日曜に開催される見込みです。
一年に一度でも、その間にいろいろな出来事をお互い経ているからか、
音楽に刻み込まれる思いやアンサンブルの掛け合いも毎年変わっていくよう
に感じます。音楽に真摯に向かい合うと新しい発見があるのは、自分にとっ
て、前に進んで行くための力になることを再確認できました。
私にとって今回は本格的な演奏復帰の第一歩でもあり、このような機会を
くださった白水さんにも大変感謝しています。

これから一年、私にはいろいろな出来事が待っており、人生の転換点に
来ているような気がする・・とほのめかしておきますが、来年のリサイタル
もぜひご期待下さいますよう、心よりお願い申し上げます。


写真はリサイタル後の夕暮れの高崎の桜です。
青く澄みきった空に、桜色がなんと美しかったことか・・
素晴らしい感動の一日でした。

また来年も巡り会えますように・・


写真 1





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